2021/10/1に発売となった伊坂幸太郎最新作「ペッパーズ・ゴースト」
なんとAudible配信は書籍の発売日と同時です!
今回は、Audible (オーディブル)で聴いてみた感想をネタバレ有りと無しでお伝えします!
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Audible (オーディブル)はAmazonが提供する本が聴けるサービスです。
登録について、他の聴くメディアとの違いについて
「屍人荘の殺人」を本とAudibleで比べてみました。
目次
書籍情報
※Amazon評価は記事投稿時点です。
著者:伊坂 幸太郎
ジャンル:ミステリー
発売日:2021/10/01
配信日:2021/10/01
聴了日:2021/10/04
読手:岡井 カツノリ、三木美
再生時間:12 時間 22 分
内容紹介(Amazonより引用)
少しだけ不思議な力を持つ、中学校の国語教師・檀(だん)と、女子生徒の書いている風変わりな小説原稿。 生徒の些細な校則違反をきっかけに、檀先生は思わぬ出来事に巻き込まれていく。 伊坂作品の魅力が惜しげもなくすべて詰めこまれた、作家生活20年超の集大成!
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伊坂作品
まず前提なんですが・・・実は伊坂作品の小説は2作品目となります。映画では「陽気なギャングが地球を回す」「アヒルと鴨のコインロッカー」「ゴールデンスランバー」は観ていて、特に「アヒルと鴨のコインロッカー」はとても好きな作品ですが、原作は全くの未読です。
初の伊坂小説はAudibleで配信されていた「逆ソクラテス」
伊坂幸太郎先生の短編集です。こちらも感想投稿しますね!
「 ペッパーズ・ゴースト 」のネタバレ無し感想
壇先生の不思議な力、女生徒の書いた小説、バラバラだった話が繋がった時はおぉっと思いました。思わず最初の方から聞き直しちゃいました!
我が家にも猫がいて(猫ブログはこちら)猫好きな私としてはネゴジゴハンターには行為には共感の方が強くなってしまいます(笑)ただ、ネゴジゴの過去の悪行はやはり胸糞悪くなってしまいます。きっと伊坂先生的にはすごいサラッとなんでしょうけど、やっぱり少しイメージしてしまいましたので、もっと「虐待してた」の一言ぐらいで抑えて欲しかったですね・・・
同じ伊坂作品の「鴨とアヒルのコインロッカー(映画)」でも猫の虐待シーンが有ったと記憶していますが、その時はここまで嫌悪感は無かった気がします。
他の小説でも同じように感じた事があるのですが、私が猫と暮らすようになって、猫虐待に対する敏感度が上がっている事を感じました。
作中でも少し触れられていましたが、とある大事件の裏側な話のように感じました。もしこの事件に探偵が関わっていたのなら、探偵が解き明かす内容をメインとした話ですね。
個人的には・・・探偵がこの話を解き明かす方が好みだったりしたので惜しいなぁと感じてしまいました。
また、異能力有り、意外な展開有り、アクション有り、と色んな要素を詰め込んだ映画のような作品ではありますが、どうも現実感が無さすぎて・・・お話にハマりきれませんでした。
「 ペッパーズ・ゴースト 」のネタバレ有り感想
先行上映について
個人的に一番、残念だったのが、壇先生の異能力「先行上映」の扱いです。これは私がジョジョみたいな異能力バトル漫画が好きだからというのが有るんですが、せっかくの異能力を活かして欲しかったです。
「先行上映」が活躍したのはクリニックと球場でテロが有るという事を突き止めた事です。
物語終盤の壇先生、野口とマイク育馬とのやり取りでは「先行上映」で壇先生だけが知っている事象を上手く使ってピンチをチャンスに変えるはずが・・・想定していた未来と違いホームラン打つところが空振りとなり、壇先生は全然ピンチから脱せられず、結局・・・ロシアンブルが「先行上映」とは関係無く助けてくれるという結果に。
まさかクライマックスとなるシーンで発動条件が限られる主人公の「先行上映」を活躍させないとは!
能力が無い者が機転で異能力を超えるのは確かに胸熱な展開ではありますが、窮地を救ったのは誰かの機転ではなく、ロシアンブルの過度な心配性。偶然レインコートを買っていたなんてご都合主義過ぎるとしか思えない。
「先行上映」の先読みで無双しているなら最後は外れるのも有りだとは思うんですが、そもそもそこまで万能じゃなかった「先行上映」だからこそ、最後は活躍して欲しかった。
結局「先行上映」では里見八賢も救え無かったし、なんだかなぁな能力。コロナで一気に身近になった「感染」という言葉を違った発想で使いたかっただけなんじゃ・・・と邪推しまうレベル。
アクション
ネゴジゴハンターの2人は小説とは違い超人的な力は無いとの事ですが、サークルメンバーとの戦いを見てると十分、超人的なアクションをこなしているように思えます。
そして、何より成海彪子がコナン君の蘭ねーちゃんレベルを彷彿とさせるレベル。カンフー映画好きな男でもなかなかそうはならないんじゃ無いかと。
クリニックの人たち
ロシアンブルも無事だし、クリニックの人たちも実はみんなどこかで生きていて、このクリニックと球場での事件で亡くなった人は居ない気がするから、なんか良かったねー!
みたいな感じで終わりますが・・・クリニックの人たちについては流石に無理がある気が・・・
警察上層部がその計画に乗ったかは、そういう可能性は有ったように記述されていたように感じます。
成海彪子が計画を知らなかった事から少なくとも庭野さん以外の人たちはあそこで死ぬ事を覚悟していた。警察との交渉の際に初めて庭野さんがみんなに計画を伝えたとして、みんな納得しただろうか?「死ぬ覚悟」というか「死ぬ場所を求めていた」人も居たはず。あそこで死ぬからそこまで頑張って計画に乗っていたのに、いざ死ねると思った時にみんなを欺いて他で生きていこう!と言われてもなかなか納得しないと思います。時間をかけて説得すれば納得もしてくれるかもですが、爆破まで時間はあまりない極限状態の中・・・全員が納得したとはどうも思えない。
そもそも、壇先生も、「成海彪子も脱出計画を知っている」と思って自分の考えを話したようですが、成海彪子は知らなかった時点で壇先生の考えは間違っているとなると思うんですけどねぇ
だから、やっぱりクリニックの人たちは自爆死したとしか・・・
Audible (オーディブル)で聴いた感想
ナレーターについて
男性ナレーター「岡井カツノリ」さんと女性ナレーター「三木美」さんの男女2名によるナレーションで、男性人物視点を男性ナレーターが、女性人物視点を女性ナレーターが担当されています。
Audibleを聴き慣れると男性ナレーターが女性や少女の声を担当するのも抵抗なく聞けますが、やはりそれは1人で読むからという事による妥協ありきだと感じています。
「三木美」さんは成海彪子パートのみの担当となります。それぞれの技術に特に不満はありませんが、せっかく男女ナレーターがいるんだから男性の発言は男性ナレーター、女性の発言は女性ナレーターが担当して欲しかったですね。また、男性ナレーターの女性ほどではありませんが、成海彪子パートの男性発言も出来れば男性ナレーターに担当して欲しかったと感じます。
お二方ともどの人物も読み分けてはいますが、同じ人物の発言をそれぞれが読むので一瞬、別の人みたいな印象があります。まぁ混乱するほどでは無いんですが・・・出来ればそうして欲しかったなぁとどうしても考えてしまいます。
目次について
過去聴いたAudible史上一番わかりにく目次です。最初の方を紹介すると・・・
- 登場人物表・ロシアンブル 19:28
- 壇先生 19:59
- 壇先生 12:41
- ロシアンブル 17:30
- 壇先生 28:11
- 壇先生 21:25
- 壇先生 14:43
- 壇先生 11:37
- 壇先生 10:13
- ロシアンブル 11:34 ・・・以下略
こんな感じです。誰視点のパートなのかが目次に来ているようですが、まぁわかりにくい。うっかりどこまで聴いたかがわからなくなったら探すのが大変です。
おそらく原作がそうなっているせいだとは思うますが、どうにかならなかったものか。せめて「壇先生」が続くところは一まとめにして欲しかった。
終わりに。
Amazon内容紹介にも有りますが今作「ペッパーズ・ゴースト」は伊坂作品の魅力が詰まっている「伊坂幸太郎の集大成」作品との事。なので、伊坂作品ファンには非常に嬉しい作品なんだと思います。
ただ、私は伊坂作品に特に思い入れがありません。その為かそこまでこの作品の良さがわからなかったのが正直なところです。
ただAmazonのレビューを見ると絶賛の嵐なんですよね!という事は単純に私の理解力が低いせいが濃厚ですね(笑)
良くも悪くも、自分にはそこまでは伊坂作品がハマらないようです。伏線が多い物語は好きなんですけどねぇ。他にも伊坂作品はAudibleで配信されているので、コインに余裕があれば他の伊坂作品を試してみたいと思います!