「 蒼海館の殺人(著:阿津川 辰海 ナレーター:岡井 カツノリ)」をAmazonのオーディオブック「Audible」で聴いたネタバレ有りと無しの感想。

蒼海館の殺人 阿津川 辰海 岡井カツノリ  感想 レビュー audible

田所と葛城が巻き込まれるのは山火事の次は台風による洪水!今回も被災中に殺人が起きてしまいます。災害によるクローズドサークルミステリー第二弾「蒼海館の殺人」

今回は、Audible (オーディブル)で聴いてみた感想をネタバレ有りと無しでお伝えします!

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「屍人荘の殺人」をAudibleで比べてみました。

書籍情報

ストーリー
 (4)
ナレーション
 (4)
Audible向け度
 (3.5)
目次
 (2.5)
総合評価
 (4)
Amazon評価
 (4)

※Amazon評価は記事投稿時点です。

著者:阿津川 辰海
ジャンル:ミステリー
発売日:2021/02/16
配信日:2021/07/21
聴了日:2021/10/09
読手:岡井 カツノリ
再生時間:17 時間 26 分

内容紹介(Amazonより引用)

館が沈めば、探偵も、犯人も、全員死ぬ 濁流押し寄せる館の連続殺人。
雨が止むころ、僕らは生きているのか。

☆☆☆

2019年『紅蓮館の殺人』(講談社タイガ)がスマッシュヒットを記録し、 2020年『透明人間は密室に潜む』(光文社)が続々ランクインの26歳による最高傑作! ↓

☆「2021本格ミステリ・ベスト10」(原書房)国内ランキング 第1位
☆「このミステリーがすごい! 2021年度版」(宝島社)国内編 第2位
☆「週刊文春ミステリーベスト10」(文藝春秋)第2位
☆「ミステリが読みたい! 2021年度版」(ハヤカワミステリマガジン)国内篇 第3位

☆☆☆

学校に来なくなった「名探偵」の葛城に会うため、僕はY村の青海館を訪れた。 政治家の父と学者の母、弁護士にモデル。 名士ばかりの葛城の家族に明るく歓待され夜を迎えるが、 激しい雨が降り続くなか、連続殺人の幕が上がる。 刻々とせまる洪水、増える死体、過去に囚われたままの名探偵、それでも――夜は明ける。 新鋭の最高到達地点はここに、精美にして極上の本格ミステリ。

Amazon

蒼海館の殺人」のネタバレ無し感想

前作「紅蓮館の殺人」では山火事だった殺人事件の舞台としてのクローズドサークルが起きる理由が台風による洪水という本作。作中では『館まで水位あと○○m』と館が水没するまでをカウントダウンしてくれます。

「紅蓮館」は一つの殺人事件の解明と山火事から避難の葛藤がお話の主軸でした。今回は台風により洪水被害が懸念され防災対策を行なっている中で連続殺人が起きるお話となっています。

「紅蓮館」では難解な館の仕掛けを使った殺人でしたが、今作ではそこまで難解な物理的な仕掛けはありません。ですが、事件はかなり難解で一つの殺人に対しても二転三転していきます。「紅蓮館」とはまた違った方向で「何がなんだか・・・」と考え込んでしまいました。

そして、今回も犯人の動機には驚かされました!

前作ではただクローズドサークルを作り上げているだけの山火事でしたが、今作では、水害というシチュエーションも事件に絡んできて、期待通りな感じになっています!

個人的には断然「紅蓮館」よりも「蒼海館」の方が好きな作品です!

どうしても前作のとの比較した感想が多くなっています・・・前作とは登場人物もガラッと入れ替わっているので事件そのものは前作を読んでいなくても特に問題はありません。

しかし、探偵役の葛城と主人公の田所の心情などを理解する為には前作は読んでおいた方がいいです。特に葛城を見てみると前編:紅蓮館の殺人、後編:蒼海館の殺人。と2作合わせての作品のように感じました。

もし、どちらも未読の場合は「紅蓮館の殺人」から読んでみて下さい!
「紅蓮館の殺人」を読んで次作を読むか迷っている人は「紅蓮館の殺人」よりもオススメなので是非読んでみて下さい!

図解紹介

前作は図解が無いと非常にわかりにくかったですが今回は、前作ほどではないし、わからなくても大した問題では無いのですが・・・せっかくなので、載せておきますね!

今回の図解は3つでした。

坂口が写真を撮った時の離れの様子離れで遺体発見時隠し通路の出口

※ここからのネタバレ有りパートは前作「紅蓮館の殺人」も読んでいるという前提で書かせて頂きます。「蒼海館の殺人」しか読んでいない人は要注意です!

蒼海館の殺人」のネタバレ有り感想

前作では犯人と動機に驚きましたが、今回も動機が一番無さそうな「お金」と驚かされました。
借金で苦しんでるならともかく、実家は豪邸で警察に勤め、しっかり評価もされている。それなのに「お金」を理由で殺人まで犯すとは・・・

阿津川先生の作品はホワイダニット(Why done it?)で犯人を当てるのが非常に難しいですね・・・

と、いきなりディスったネタバレ感想でしたが、大きく気になったのはそれぐらいで、その他は良かったです!

シチュエーションや登場人物

先ほど、ちょっと触れましたが、今作ではしっかりと洪水が事件に絡んでいて良かったです!

どう考えても、災害は証拠隠滅に役立ちますからね!事件発生タイミングも台風で水害が起こるから犯行に及んだのも納得です。

前作は偶然集まったには奇跡的過ぎる登場人物でしたが、今回は犯人が集めているのでそこにも違和感無し!

前作で気になったところが、概ね改善されているように感じました笑

蒼海館(あおみかん)

今回もタイトル回収は無かった気がします。このシリーズはタイトル回収はせずにいくっぽいですね。

Audible (オーディブル)で聴いた感想

人物をしっかり演じ分けしてくれて誰のセリフかわかりやすいのはもちろんですが・・・

「紅蓮館」でも「蒼海館」でも物語のクライマックスに全く同じセリフを葛城が発するのですが、その時の心情が全く違いそれぞれの気持ちで言葉を発してくれます。

これぞまさにAudibleならではではないでしょうか?

あ、目次は相変わらず大雑把でわかりにくいです。

時々、時系列で整理してくれたりタイムテーブルでの説明が有ったりますが・・・終盤に出てくるタイムテーブルだと6ページにわたって整理されているのですが・・・やっぱり聞くだけだとあまり整理された感じがしません・・・文字だとわかりやすいんですけどねぇ・・・

終わりに。

葛城が復活してとりあえず物語はひと段落な感じです。が、これからな気もします。次は復活した葛城と飛鳥井の再戦(?)かな?その前に今回もそこまで活躍しなかった田所の覚醒エピソード?

田所&葛城の今後の物語も気になりますが、このシリーズは山火事、洪水と災害モノです。次は・・・やはり地震かな?

「紅蓮館」→「蒼海館」とパワーアップしていってるので・・・次作も楽しみにです!!

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