浅倉秋成 さんの『六人の嘘つきな大学生 』(ナレーター:木村良平さん)をAudible (オーディブル)で聴いてみた感想をネタバレ有りと無しでお伝えします!
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「屍人荘の殺人」を本とAudibleで比べてみました。
目次
書籍情報
※Amazon評価は記事投稿時点です。
著者:浅倉秋成
ジャンル:就活ミステリー
発売日:2021/03/02
配信日:2022/05/06
聴了日:2022/05/10
読手:木村良平
再生時間:9 時間 46 分
内容紹介(Amazonより引用)
成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。最終選考に残った六人の就活生に与えられた課題は、一カ月後までにチームを作り上げ、ディスカッションをするというものだった。全員で内定を得るため、波多野祥吾は五人の学生と交流を深めていくが、本番直前に課題の変更が通達される。それは、「六人の中から一人の内定者を決める」こと。仲間だったはずの六人は、ひとつの席を奪い合うライバルになった。内定を賭けた議論が進む中、六通の封筒が発見される。個人名が書かれた封筒を空けると「●●は人殺し」だという告発文が入っていた。彼ら六人の嘘と罪とは。そして「犯人」の目的とは――。
『教室が、ひとりになるまで』でミステリ界の話題をさらった浅倉秋成が仕掛ける、究極の心理戦。
Amazon
「六人の嘘つきな大学生 」のネタバレ無し感想
気持ちよく騙されまくったお話でした!
ミステリー物を読む(聴く)以上、「犯人」が誰か?などを自分なりに考えながら物語を進めていきますが…思案して辿り着いた(と思っていた)真相がことごとく外れていきます。
あ!そういう事か!→え?違うの?と何度思った事か…
その騙された感が気持ち良いし、最終的には全てがハッピーエンドってわけではないですが、爽やかな読後感と言って良い終わり方だと思います!
想像もしない展開…というのももちろんあるとは思うのですが、それ以上に間違った推理へのミスリードが非常に上手!初読時にはまんまと誘導されてしまった感があります(笑)
内定者を決めるグループディスカッションや封筒云々の話は現実にはあり得ないですが、就活については非常にリアリティのある言葉が就活生サイド、人事担当サイド、それぞれから飛び交います。
就活してた時には確かに人事はそんな風に見えてたし、社会人になった後に人事担当の立場や採用を若手社員としてお手伝いした際に思ってた事でした。
これから就活する人は、この本読んで(聴いて)採用サイドもこんな感じなんだと認識しつつ、就活生を演じて就職活動に向き合って欲しいなと思いました!
「六人の嘘つきな大学生 」のネタバレ有り感想
この「一人の内定者を決める」というグループディスカッションはスピラリンクスが仕組んだ試験で、色々有ったけど全員(もしくは問題の無い何名か)が受かりました!って展開かな〜
→グループディスカッション前に鴻上さんへのインタビューで、内定者は一人だし、犯人は亡くなったのが判っちゃうし、結末バラすの早くね?
なんて考えていましたけど、これが一番上手なミスリードだったと感じています。
グループディスカッション前に鴻上さんに、嶌さん、波多野くんが言葉を伝えた後に8年後の鴻上さんへのインタビューになり…
「あの最終選考の日、エントランスで開口一番にあなたが口にしたセリフ、いまだに覚えていますよ」
これで、インタビュアー=波多野くんと刷り込まれてしまいました。まさか大した事言っていない嶌さんさんの言葉を覚えていたとは(笑)
インタビュアーについては4人目の八代さんまで疑いもしていなかったです。八代さんが久しぶりに会った相手にあの時、実は生理で大変だったと伝えた時に、ようやく違和感を感じました。
そこから5人目の森久保くんへのインタビューを経て嶌さんが犯人を疑うように話が進み…そうだったのかー!
って思ってたら嶌さん編が始まり…早々に犯人じゃないって!?
犯人と対峙し、真相がわかっても…まさか犯人も知らない真相があるとは…
一個一個のトリックや伏線はちょっと考えればわかる簡単なものだと思っているとそれでどんどん誤った推理に誘導されていきます。
比較的登場する事が多くしっかりと印象つけてきたジャスミンティーもミスリードの道具でした。
おかげで嶌さんと同じくパスワードが違って驚く事が出来ました。
あと…個人的な感覚で言うと未成年飲酒よりもキャバクラ勤務の方が罪が軽いかなー。というか、キャバクラ勤務は特に罪でも無い気が。
Audible (オーディブル)で聴いた感想
感覚的にあとどれぐらいで終わるかがわかりにくいAudibleは、二転三転してどう転がるかわからない物語と相性が良いと思います!
目次を見るとわかりますが、この物語は「就職試験」と「それから」の大きく2部構成になっています。
本で読んでいると就職試験が終わった時にページ数で物語がまだこれぐらい残っていると言うのが感覚的にわかると思います。それに対してaudibleはスマホで残り時間を確認しないと残っている時間は把握しずらいと思います。この本の再生時間は約10時間。集中して聴き続ける人は少なくて大体の人は何かをしながら聴いていると思いますが、その場合は5時間聴いたのか8時間聴いたのかは感覚的にはわかりにくいと思います。
そうすると、この物語はいつ終わるのか?まだ転がっていくのか?と良い意味でドキドキしながら聴く事が出来ます!ですので、僕は出来るだけ、残り時間は確認しないようにしました!
ただ、二度読み必至なこの物語を後から聞き直す時には目次が大雑把なのは聴きたいところを聴き直すのが大変でした。
数字の小段落やインタビューを目次項目にして欲しかったなぁって思います。
男性ナレーターなので、女性のセリフは違和感がありますが…聴いているとすぐに慣れます。
終わりに。
2022年の本屋大賞作品をaudibleで聴いていますが、ここまで一番良かったのが

でしたが、超えました!
僕的、本屋大賞2022はこの「六人の嘘つきな大学生」です!
気持ちよく騙されまくった上に読後感も好みな感じな一冊でした!