「同志少女よ、敵を撃て (著:逢坂 冬馬 ナレーター:青木 瑠璃子)」をAmazonのオーディオブック「Audible」で聴いたネタバレ有りと無しの感想。

同志少女 敵を撃て 逢坂 冬馬 青木 瑠璃子Amazon オーディオブック Audible ネタバレ 有り 無し 感想 書評 レビュー

今回は、直木賞候補にもなり!2022年本屋大賞を受賞した話題作!逢坂冬馬さんの「同志少女よ、敵を撃て」を青木瑠璃子さんが読んだAudible (オーディブル)で聴いてみた感想をネタバレ有りと無しでお伝えします!

Audibleについて

\最初の2ヶ月は無料で体験出来ます(5/11まで)/

Audible(オーディブル)の登録はこちらから!

Audible (オーディブル)Amazonが提供する本が聴けるサービスです。
登録について他の聴くメディアとの違いについて
「屍人荘の殺人」をAudibleで比べてみました。

書籍情報

ストーリー
 (5)
ナレーション
 (5)
Audible向け度
 (4)
目次
 (4)
総合評価
 (4.5)
Amazon評価
 (4.5)

※Amazon評価は記事投稿時点です。

著者:逢坂 冬馬
ジャンル:戦争
発売日:2021/11/17
配信日:2022/04/01
聴了日:2022/04/12
読手:青木 瑠璃子
再生時間:15 時間 34 分

内容紹介(Amazonより引用)

独ソ戦が激化する1942年、モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマの日常は、突如として奪われた。急襲したドイツ軍によって、母親のエカチェリーナほか村人たちが惨殺されたのだ。自らも射殺される寸前、セラフィマは赤軍の女性兵士イリーナに救われる。

「戦いたいか、死にたいか」

――そう問われた彼女は、イリーナが教官を務める訓練学校で一流の狙撃兵になることを決意する。母を撃ったドイツ人狙撃手と、母の遺体を焼き払ったイリーナに復讐するために。

同じ境遇で家族を喪い、戦うことを選んだ女性狙撃兵たちとともに訓練を重ねたセラフィマは、やがて独ソ戦の決定的な転換点となるスターリングラードの前線へと向かう。おびただしい死の果てに、彼女が目にした“真の敵”とは?

Amazon

同志少女よ、敵を撃て 」のネタバレ無し感想

すぐ上で紹介しているあらすじのように主人公セラフィマは殺されそうになったところを救われ、訓練学校に入る事になります。

要約すると数行な話ですが、セラフィマの日常から急変、死に直面し命以外全て失うまでがしっかりと描かれています。

2章の訓練学校編が平和に感じるほど、3章以降の実戦では凄惨な描画が多いです。この辺りは苦手な人もいるかもしれません。

アクションとしてのメインとなる狙撃戦は非常に面白いです!私事ですが、PUBGという生き残り型の戦争ゲームにハマった事があり、その時の気持ちを思い出しました!

そしてこの小説のメインテーマとなるクライマックスですね。

タイトルでもある「同志少女よ、敵を撃て」

この言葉は初めてドイツ軍を狙撃する時に言われるのかな?と思ったらそうでもなく…
途中で人間を撃てなくなって、それを克服した時に言われるのかな?と思ったらそうでもなく…

セラフィマが…イリーナが…そして、私達読者が…“真の敵”を認識した時に…

「同志少女よ、敵を撃て」

色んな事を考えさせられる展開でした。

関連書籍

今作に大きな影響を与えた書籍として「戦争は女の顔をしていない」
こちらもaudibleで聞くことが出来ます!

作中に登場するリュドミラ・パヴリチェンコさんは実在の人物で著書もあります。

実際にルーズヴェルト夫人とご友人だったそうです!

同志少女よ、敵を撃て 」のネタバレ有り感想

物語冒頭でドイツ軍の急襲に遭い、せっかく離れた場所にいるのに動く事が出来ずに捕まってしまうセラフィマ。
自分がそういう状況になった事がないのでわかりませんが…やはり動けないものなのでしょうか?
兵士が近づいてきていて、その場に残っていても捕まって酷い目に遭うのは明らか。

なんで逃げないのー?と疑問でしかありません。

実際には恐慌状態の素人の逃亡なんてサクッと軍人には捕まる、もしくは射殺されるだろうから、逃げても無駄なのかもですが…本能的に、その場から離れたくなると思うんだけど…違うのかな?

クライマックスのミハイルさん

殺気を感じるなり、スコープの反射を見つけるなり、この戦場にセラフィマがいる事を思い出すなりして…
セラフィマに見られている事に気付いてから撃たれて欲しかったと思いました。

「戦いたいか、死にたいか」

イリーナが生き残った女性達に投げかけた質問ですが、極限の2択に思えて、その実はどちらも選ばないという選択肢があったというのも面白いですね!

エピローグの演技

エピローグでは戦後30年経ったセラフィマとイリーナ達が描かれています。

audibleで読み上げる際にはここまでのセラフィマとイリーナと同じ演じ方で台詞を読み上げていました。誰の発言か分かりやすいのは良いのですが、声の感じが全く老けていないと30年経った実感がわきにくいです。

演じ方を変えると混乱するという考え方もあるとは思いますが…個人的にはもう少し年老いた演技でも良かったかなと感じました。

ロシア、ウクライナの友情は永遠に続くのだろうか…

作中でセラフィマはそんな風に考えます。

残念ながら私達の世界線では続きませんでした。

男たちの戦争

その陰で苦しんだ女性達がいました。私も男で、著者の逢坂冬馬先生も男性ですが、この作品では男はろくでもないやつらとして描かれており、男である私もなんか肩身が狭い思いです。

ミハイルさんだけは違って二人は結ばれてハッピーエンドという描き方もあったのに、自信も男性な逢坂冬馬先生はバッサリ切り捨てました。フィクションではありますが、そちらの方が実話に近いのでしょう。

日本にいると日本人だけが戦時中に性犯罪による慰安婦問題を起こしているかのようにも思えてしまう時がありますが、戦時中日本人男性だけでなく世界中の男性達の意識にある問題だったと改めて考えさせられました。

Audible (オーディブル)で聴いた感想

ナレーターも聴きやすく演じ分けも上手でした。(演じ分けについて少しだけ気になる点があったのでネタバレの中でも触れています。)

私がロシア系、ドイツ系の名前に慣れていないせいも有って、長い名前やフルネームは聞き取りきれない時がありました。武器の名前も同様ですね。

また、当時の情勢に詳しくないと、「コサック」や「パルチザン」をはじめ少し用語の説明不足に感じる時もありました。

ただ…雰囲気で読んでいればなんとなくわかりますので、特には問題はありませんでしたけど。
しっかりと理解して読んでいきたい人はその都度、わからない用語などをスマホとかでググりやすい本の方が良いかもしれません。

同じくaudibleで配信していているこちらの作品に何か似ているものを感じました。

共通点はロシア系、ドイツ系の名前が多く出てきて混乱しやすい事、悲惨な戦争をテーマにしている事などですね。

主人公が女性な点は同じですが、それにより作品が伝えたいテーマは全然違うのでそこは共通点な感じはしませんでした。

あと…冒頭に登場人物紹介があるんですが…本だと気になった時にそのページを見直せるんですが、audibleとの相性は良く無いですねー

聴きながら添付PDFで見たいところです。

終わりに。

15時間という大作ですが、話もどんどん展開するため、一気に聴く事が出来ました!

狙撃兵としての成長し、緊迫の狙撃戦。ソ連側の視点が中心ですが、ドイツやルーマニアなどの相手国の視点もあります。そして各国視点よりもこの本の特徴としても女性視点で見る戦争…

各所で大絶賛も納得の一冊でした!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。